スモークサーモンを販売する王子サーモン銀座店のリノベーションである。
銀座という上質感を残しながら、本社のある北海道苫小牧の工場がもつライブ感を取り入れた空間を目指した。
外壁の鈍く光るステンレスと開口部から覗く天井ルーバーや素焼き煉瓦タイルの反復によって奥行きをつくりだし、通りから人々を誘い込むように考えた。
店内を構成する素材のスケールを大きくすることでやわらかく纏われた印象とした。大きなセンターテーブルの天板や素焼き煉瓦タイルに差し込まれたステンレスの棚板にはサーモンがシルバーのパッケージに包まれ、赤身を引き立たせている。
サーモンの育つ冷たい環境を想起させながら店内では銀座の気質をあたたかく演出し、50年の歴史を紡ぎながら今日も新たに多くの人を迎える。
