名古屋を拠点とした創業から90 年を超える⽼舗卸問屋直営の鰻屋の香港1号店となる店舗内装の計画である。敷地は香港島の北岸にある銅鑼湾のモールの一角で正面エントランスが狭く奥行きの広がる区画である。⽇本の⾷⽂化である「うなぎ」をより美味しく感じてもらう場所とは、香りや⾳、空気など繊細な⽇本的感性によってつくられる空間の中で味わうことが必要であると考えた。そこで、古くから日本人にとって、身近な存在であった雨に焦点を当て、ステンレスワイヤーを直線・斜線と織り交ぜることで、見る人によって夕立や小雨といった多様な表情を作り出すことで味覚だけではなく視覚でも楽しめる空間としている。